チェンマイ・イーペン祭りの「害」について考えてみた


無数のコムローイ(熱気球)が空に待ったイーペン祭り。

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多くの観光客がチェンマイを訪れ、このお祭りを楽しみました。お祭りの様子はこちらから。

その一方で、チェンマイで知り合ったタイ人の大学生がSNSでこのような投稿をしていました。

ランタンフェスティバルは確かに美しい。
でも、毎年この美しいお祭りのために何件の家が全焼しているか知っていますか?
ランタンのせいで誰かの人生を破壊することなるかもしれないのです。

私自身、観光サイトで見るイーペン祭の美しい写真に心を踊らせれていて、よく考えれば誰もが気がつくコムローイ(熱気球)の危険性についてあまり配慮ができていませんでした。

 

環境への配慮・安全性

コムローイ(熱気球)は、火をつけて空へ舞い上がります。私が祭を散策していても、舞い上げたコムローイが木に引っかかったり、急落下して他のコムローイに引火する場面を見かけました。

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引火するコムローイ

もしもコムローイが森の中に落ちてしまったら森林火災になってしまうかもしれません。実際に、タイ人の大学生が言っていたように、コムローイが原因で全焼してしまう家もあるそうです。

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また、川に流す灯籠は私が見たところ、全て植物で作られていたので環境面に配慮されているのかなと思っていました。しかしながら、量が量なだけに河川汚染が深刻化毎回何十万個の灯籠をタイ政府が回収しているそうです。

80万個以上の「灯篭」片付ける|タイランド情報

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イーペン祭の帰り道、道端には燃え尽きたコムローイが落ちていました。

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中には、川に落ちてしまったものも。幻想的な光景を楽しめたイーペン祭ですが、燃え尽きたコムローイはゴミでしかありません。

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伝統継承と経済効果

コムローイも灯籠も、環境面や安全性を考えるとデメリットの方が多いように思います。だからといって、イーペン祭りでコムローイや灯籠を無くすかというと、そう単純ではありません。

イーペン祭は、タイの2大祭でもあり本来は「農業の収穫に感謝し、水の女神コンカーに祈りをささげ、罪を謝罪し、自らを清める」という宗教的な意味あいもあります。

また、コムローイ(熱気球)や灯籠流しというフォトジェニックな光景が広がるイーペン祭には、その光景を求めて毎年多くの観光客が訪れます。どのくらいの規模の経済効果があるのかは調べられませんでしたが、イーペン祭が近づくごとに観光客が増えているのは肌で実感できました。イーペン祭が、チェンマイの経済や地元の人の生活を潤しているという側面も否定できません。

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コムローイを売る地元の屋台

海外の熱気球規制

コムローイの歴史について調べてみると、元々は通信手段として利用されていたそうですが後には、祈祷儀式の道具として使われるようになったそうです。タイだけではなく、中国や台湾、イギリス、ポーランド等でも、熱気球を使った行事があるそうです。

そしてどの国でも、熱気球による事故や環境問題はあるようで、台湾では以下のように規制が設けられているそうです。

天灯が火災の原因になるという指摘を受け、台湾当局は『天灯施放作業指導要点』を策定、点火された天灯が火災の原因にならないように風速と燃料に制限を設け、天灯の飛行範囲を5km以内、燃料も点火後10分以内の量に制限した。また『消防法』第14条を改正し法的な制限を加えるべく検討が進められている。(Wikipediaより引用)

これからどうあるべきなのか

伝統文化や経済効果を考えると、コムローイや灯籠を全面禁止をいうのはありえないと思います。どうバランスを保ちながら継続をしていくのかを考えなければいけないように思います。

規制と安全・環境に配慮する情報発信

今後のことを考えると、台湾が実施しているような規制は少なからず必要になると思います。またその規制を守る地元の人と観光客のモラルも重要になってくると思います。実際、コムローイの打ち上げ時間は全然守られていませんでした。

今回の場合でいうと、タイ国政府観光局に記載されているイーペン祭り情報では、祭の情報こそある程度記載されていますが「環境への配慮」や「事故を防止するための対策」については記載がありませんでした。

少しでも環境や安全面に配慮しながら祭を楽しむなら「環境に配慮した灯籠の選び方」とか「灯籠にお金は入れない」とか「コムローイの打ち上げ時間は事故防止のために必ず守りましょう」といった案内があってもいいかなと思います。

観光客が知るべきこと

また、観光客自身も、祭りの楽しさだけではなく、ネガティブな面も知るように努力が必要だなと思いました。今回私自身も綺羅びやかな祭りを楽しむことだけを考えてしまいましたが、その影には家が燃えてしまったり、自然が汚染されてしまったりと「害」があることにあまり目を向けていませんでした。

「害」を知ってしまっては、思う存分お祭りを楽しめないかもしれませんが、見知らぬ土地に来て地元の行事に参加させてもらうのだから、「現状を知る」ことは、最低限観光客自身が努力しなければならないことだと思います。

ただ楽しいだけの観光行事になってしまわぬよう、私にできることを考えていかなければならないと、つくづく考えされられました。