スイスの「Exchange Box」が32トンのゴミを無くせたわけ


要らなくなったものを捨てずに、だれかにあげる。とてもシンプルなことですが、振り返るとあまりできていません。最近、日本ではメルカリフリルといったフリマアプリが浸透してきているのですが、そんなに高く売れなさそう、譲り先を探すのがめんどうくさい、そういう理由でほとんどのものを捨ててしまいます。

Exchange Box は新しいリユースの仕組み

スイスにある「Exchange Box(エクスチェンジボックス)」は、要らなくなったものをだれかに譲る、リユースの取り組みです。仕組みは簡単で、電話がおけるくらいの小さな台にExchange Boxが置かれているだけ。なにか要らないものがあれば、近所にあるこのExchange Boxにいれて、道行く人がそれが必要な人がいれば自由に持ち帰りができるようになっています。

やりとりされるものは、本やおもちゃ、ベルト等の小物が多く、気軽にだれでも持ち帰ることができます。

Exchange Boxes

この動画は、町に設置されたExchange Boxを定点カメラで観測したもの。様子をみてみると、想像していたよりもたくさんの人がExchange Boxを利用していました。この日は、69人もの人が訪れ、49人がモノを持ち帰り、7人の人が不要なモノを提供しました。

なぜExchange Boxは成功したのか?

Exchange Boxesが成功したカギは、そのサイズにあるそう。ゴミが入れられたり、持ち帰れないほどの大きな不要物(家具など)が入れられない適度な多きさなので、町の人はきちんとリサイクルボックスとして利用してくれるとのこと。スイス国内約60か所に設置されたExchange Boxesはすでに32トンのモノをリユースしてきたそうです。

ちなみに、このExchange Boxは行政が設置しているのではなく、Happy City Labという団体が設置しているそうです。なんでも、この団体のファウンダーのDan Acherさんが、自身の部屋を大掃除しているときに不要物を道にならべていたところ、それを見た通行人が持ちかえったことに着想をえて、Exchange Boxをつくったのだそうです。

Exchange-Boxes2

日本に定着するための条件

1.環境に対するマインドチェンジ

スイスは環境に対する意識が高いといわれています。私達がスイスといって思い浮かべるのは、きれいな山脈や森といった自然ですが、実は開発による環境汚染は深刻とのこと。スイス国立科学財団の発表では、年間3,300人もの人が、大気汚染が原因で亡くなっているそうです。こういった深刻な状況なので、国民も環境に対する意識は高く、さまさまな市民団体が環境改善に取り組んでいるそうです。

残念ながら、日本はまだそういった環境への意識は低く、Exchange Boxを町中に設置しても、実際に使う人は少ないかもしれません。日本版のExchange Boxは、見た目のおしゃれさよりも、環境に対する意識を啓蒙するようなメッセージが必要だと思います。

2.設置場所

これは個人的な主観になるのですが、もし町中にExchange Boxが置かれていたら、必ず使うとは言い切れません。というのも、町中にある珍しいものがあれば怪しんで使わないか、町に置かれていることにも気づかない、そうなると予想します。わたしが今住んでいるのが、味気ない東京のビジネス街だからかもしれませんが、なんとなく不安感や不潔感を感じてしまうのです。

なのでExchange Boxをどこに設置するかは重要なポイントだと思います。例えば、市役所や公民館、郵便局といった公共性の強い場所であれば安心できるかと思います。また、どうメリットを出すかが課題ですが、Exchange Boxに広告的な役割を付ければコンビニエンスストアやクリーニング店といった日常的に行く場所もいいと思います。なによりそういった場所は雨風がしのげるので、Exchange Boxがきれいな状態を長続きさせると思います。

3.運営費を賄う仕組みがあること

スイスのExchange Boxの場合運営している団体HappyCityLabは、Exchange Boxだけではなくさまさまな先進的な取り組みを研究・実施している団体。サイトを見ると資金調達を担当するチームメンバーもいるようで、継続的に運営できているようです。

日本で、設置した場合、定期的に清掃したりプロモーションしたりと、ある程度のコストをかける必要があると思います。Exchange Boxに、スポンサーをつけたり、広告をつけたりする他にも、ちょっとしたデバイスをつけて、100円を入れたらドアが開く仕組みにしても面白いと思いました。(例えば、重さのセンサーとかつけて、なにも持って帰らなかったら箱の重さが変わらないので返金するとか)

まとめ

Exchange Boxは、とてもシンプルなリユースの仕組みです。なので日本でも導入できると思いますが、定着するにはいくつかの課題をクリアにしなければならないと思います。しかしながら、なんでも小さな規模ではじめてみないと、実際に通行人がどうExchange Boxを見るかはわかりません。もし日本でExchange Boxまたはそれに近い役割を担っているモノがあれば、ぜひ教えください。

この記事は、SHAREABLE.NETで2015年4月28日に公開された記事Neighborhood Exchange Boxes Help Geneva Reuse 32 Tons of Goodsを一部意訳・引用しています。

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