インドネシアの交通渋滞の原因・対策・考えられる解決策をまとめてみた


インドネシアの首都、ジャカルタの交通渋滞は世界一らしいですね。

ジャカルタの渋滞
ジャカルタの渋滞

※ 写真は、インドネシア便り様よりお借りしています

その経済損失は、年間約4000億とも言われているそうです。無論、EVカーなんて高価なものを皆が買えるわけないので、ガソリンの排気ガスによる空気汚染や温暖化も促進されてしまいます。そもそも渋滞は運転する人にとってもイライラするわ、事故に遭遇する可能性も高まるわで、全然いいことありません。

渋滞の原因

そういう状況を作ってしまったのには色々原因があるようです。

急激な経済成長に伴うモータリゼーション & インフラの不整備

インドネシアのGDPの成長率はアジア通貨危機以降は6~7%程度で順調に推移しているそうで、それに伴い、人口も増加。ジャカルタ首都圏だけでも2600万人いて、これは東京首都圏の世界一に次いで2番目に多い数だそうです。

そうなると、当然交通手段も増えてしかるべきですが、急激に成長してしまったためか、インフラの整備が追いついていないようです。

特に大都市において、大量の乗客を運べる鉄道は交通混雑対策の救世主となりえますが、ジャカルタ首都圏ではその交通機関別分担率(利用率)が、わずか2パーセント程度、一日乗降客数30~40万人になっています。歩行者に厳しい高温・多雨の熱帯性気候やマイカーのドア・ツー・ドアの利便性から鉄道利用率が伸びていません。

参照元:世界第2位の巨大都市グレーター・ジャカルタへようこそ

ちなみに、高速道路はあるけどそこも渋滞、高架もそんなにないし、地下鉄も無いそう。これでは当然渋滞しますわな。。

ガソリン補助金

2015年1月1日に撤廃されたようですが、それまでインドネシアでは、ガソリンの補助金なるものがありました。
元々は、自国で算出した原油輸出収益を国民への分配するためにあったようですが、それが今の渋滞を招いている一因とも言えるので、さすがに国も撤廃したのだと思います。浮いたお金はインフラ整備に回されるとのこと。

参照元:インドネシア=ガソリン補助金撤廃も原油安で影響なし

汚職

これは、直接的な原因ではないですが、2014年の汚職による損失額は約490億円だったそう。これだけあれば、インフラの整備にまわしていただきたいところです。

参照元:2014年インドネシアの汚職は490億円の損失。

じゃあなぜこんなに汚職があるのか…下記の記事によると、“公務員の給料が安すぎる”ことや、“ゴトン・ロヨン(助け合い)の精神”“スハルト政権の長すぎた独裁” 等が理由として挙げられています。

[橘玲の世界投資見聞録]インドネシア・東南アジアにはびこる“汚職”という文化

では現状どんな対策をしているのか?

一応国としても色々な対策を行っていますが、一長一短のようです。

水上バス

7年前にはジャカルタの中心部を流れる水路を利用した水上バスを試験運行。
しかし、水面に浮かぶ大量のゴミがスクリューに絡まってしまい、失敗しました。

とのこと。。残念。

3 in 1制

1992年から始まった「3 in 1スリー・イン・ワン」制です。これは、朝夕の通勤ラッシュの時間帯には、3人以上乗っている車しか市内の主要な通りに入れないという規制です。その結果どうなるかというと、「人数の足りない車に乗り込み、報酬を受け取る」という珍商売が生まれました(本来は違法行為のようですが、みな堂々としています)。

参照元:地下鉄のない大都市ジャカルタで、渋滞緩和に導入された奇策とは?

確かに簡単に儲けられるなら、そっちに流れるのは人の世の常です。カリフォルニア州でもカープールレーンと言って同様な方法で渋滞を緩和しているので、市民の貧富の差が埋まれば実現できるはずです。

新大統領、ジョコ氏の取り組み

ジョコ氏は貧困層から成り上がってきた庶民派の州知事で、現在汚職の噂もなく、インフラ整備にも積極的です。以下、彼が行ったことをまとめて引用させていただきます。

地下鉄の着工

“去年(2013年)10月、日本の円借款を利用してインドネシアで初めてとなる地下鉄を着工。”

中距離バス路線の新設

“ジャカルタ郊外から通勤する車を減らすために、11の中距離バス路線を新たに設置しました。”

政府職員に規範となるよう指示

“ジョコ氏は今年1月から、毎月1日、自分が通勤に車を使わない日を設定。
ジャカルタの州政府職員にも同様に、通勤に車を使わないことを命じ、違反した職員には警告を出しています。”

インドネシア全土で2000Km道路の新設(大統領になった場合の公約)

“大統領としてもインドネシア全土で2,000キロの道路の新設を公約に掲げるなど、全国規模で渋滞対策に取り組む姿勢を強調。”

参照元:三井物産、インドネシアで地下鉄向けシステム受注 250億円

今までの2つとは明らかに性質が違っていて、現実的且つ有効な策に思えます。

考えられる解決策

国としても上記のような対策をしていますが、民間から行えることもあるかなと思い、少し考えてみました。どれも難しそうですが…。

ラグジュアリーな通勤バス会社を設立

渋滞解消効果としては、今まで1人で車に乗っていた人が、バスに30人乗るとして、車間距離を含むと単純計算約1kmは道路上の面積を短縮できます。それに、もし渋滞したとしても、これまでは車に乗っている間、自分でハンドルを握って前を向いていなければいけなかったのが、このバスにのれば無料でwifi(pop slideと連携したりして)を利用できて、エアコンもバッチリ聞いている、おまけに周りの人とも交流が持てるとなれば言うことなしではないでしょうか。

3in1で相乗り違法営業しているジョッキーたちはここでガイドや運転手として活躍してもらいます。
それから、郊外のショッピングセンターなどと提携してそこの駐車場を開放してもらい、サービス利用者の往復時の駐車場とします。
そうすれば、正規の雇用も生まれ、ショッピングセンターの利益も生まれ三方良しな感じになりそうな予感…。

ただ、問題点は往復便を用意できるかどうか、でしょうか。郊外に住んでいる人をターゲットとするならば、せめて往復の輸送は保証しなければいけないかなと思います。仮に、会社通勤としてバスを利用するのであれば、朝の時間は皆近い(ハズな)ので大量輸送できたとしても、帰りの時間は人によってバラバラだと思います。そうなると、1台あたりにのせる人数が下がってしまい、会社として帰りの便も運用するには便数が少なくなってしまいそうです。

また、この仕組みはタクシーにも適用できそうな気がします。

※ Uberはインドネシアだと現状違法らしいのであえて言及していません。
※ 似たようなモデルに、シリコンバレーのridepalがあります。

wazeを使う

wazeとは…

渋滞情報をコミュニティでシェアできる 世界最大のカーナビアプリです。リアルタイムで渋滞と道路状況を シェアする国内コミュニティに参加してみませんか毎日の通勤において きっと時間とガソリン代の節約となるでしょう。

インドネシアのスマフォ普及率は中間層で20%はいるらしく、車を所有していて、ジャカルタに通勤するような人となればより多いのではと推測します。なので、そういう人達同士で渋滞状況をシェアしあって渋滞を避けようという策です。。といってもインフラがそもそも渋滞せざるを得ない設計になっていたら意味ないんですが…。

ということでざっくりでしたが、以上になります。

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